みなさんは高卒認定試験ってご存知ですか?
正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」です。以前は「大検」という名前でした。
僕は高卒認定試験を受験して大学に進学した一人です。履歴書には「高校中退」の下欄に「高等学校卒業程度認定試験 合格」と書いています。
なんでも今日(2017年11月11日)は高卒認定試験の試験日とのこと。
今回は、僕が高卒認定試験の受験に至った経緯を中心に「高卒認定という選択肢を自信を持って選んでほしい」理由をお伝えしたいと思います。
高卒認定試験を受けたきっかけ
高卒認定試験は「高校を卒業したのと同じくらいの学力があることを証明するよ」という文部科学省が実施している国家試験です。8月と11月に試験があります。昨年は2万5千人ほどが受験しているようです。
僕が高卒認定試験を知ったのは高校中退を決意したときにインターネットで調べた時です。
「高校を中退したけど大学には行きたい」って考えていたので必然的に「高卒認定試験に合格する」か「別の高校に入学する」という2択になったわけです。
当時、高校の集団生活に疲れ切っていた僕は迷うことなく「とりあえず高卒認定試験を受ける」こと選択しました。
高校を卒業しないとダメだと思い込んでいた
僕の両親はがっちがちの公務員。息子の僕には「まっとうな道」を進んでほしいようでした。大多数が選ぶ王道の道。そこから外れてはいけない。そう教えられていました。
子どもって無意識に親の期待に応えようとしますよね。僕もそうでした。親から向けられる縛られた目線。
でも僕は高校を中退してしまったわけです。中退の理由は「人間関係」って言っておきます。ものすごくオブラートに包んだような言い方ですが。
「大学に行けば自由がある」っていう考えからの独学
「大学に行ったら自分の好きなことを勉強できるしサークルに入れば自由な人間関係が作れる!」なんていう大学デビュー的なことを考えていた16歳の僕。
だから高卒認定試験を受けました。大学に進学すれば思考のモヤモヤもどうにかなるって信じ込んでいたので必死に勉強しました。
だって大学生って自由じゃないですか。好きな大学を選んで興味のある学問を選べる。無数のサークルがあってそこから自分の意思で選択して活動できる。留学したり旅行に行って友達を作れる。もう魅力しかない!って当時の僕は信じ込んでました。
謎の原動力で独学すること5ヶ月。真夏のうだる暑さの中、高卒認定試験を受験。無事に合格しました。
「高校卒業>高卒認定」ではない
高卒認定試験を受験する人の多くって「中退したから」「進学しなかったから」という理由の人がほとんどだと思います。
僕は高校中退っていう挫折エピソードがあったから高卒認定試験を知りました。当時は高卒認定って生涯付いて回る欠点になるんじゃないかって思っていました。
受験して7年経った今。そんなこと微塵も思ってません。欠点どころか長所ですよ。
初めて会う人に自己紹介をすると、
「高卒認定試験で大学に入ったの?試験大変なんでしょ?すごいね!」
ってよく言ってもらいます。相手に自分のことを一発で覚えてもらえる。だってほとんどの人が高校を卒業しているから。自分が経験していないことを若いのに経験しているレアキャラになれるんですよね。
社会って本当にいろんな人がいます。1億人いるならば考え方も1億通り。偏見とか不理解もあります。でも理解してくれる人の方が多い。他人の努力を鼻で笑うような人はいつか痛い目に合うようになっています。
もしあなたが高卒認定試験を受験して先に進もうと考えているのなら、僕は全力で応援します。
高卒認定試験にはデメリットもあるよ
いいことばかりを書いて終わるのは無責任なので、僕が高卒認定試験を選んで困ったことを簡単に。
「高卒認定試験 合格」では「高校卒業」にはならないんですよね。大学や専門学校を卒業しないと履歴書では「中卒扱い」です。
僕の場合は16歳で高卒認定に合格して目標を大学卒業にしていました。つまり最低でも22歳までの6年間は勉強を続けることになりました。進学先で卒業しないと中卒のままで仕事も見つかりません。
そういう意味では「他の高校に転校する」選択も人によってはあり得る話でしょう。
他のデメリットは履歴書に「高等学校卒業程度認定試験 合格」って書くのが面倒なことでしょうか(笑)
まとめ
ここで今回の記事の内容をまとめておきます。
- 高卒認定試験は「高校卒業と同じ学力を持っている」ことを証明する試験
- 高校を中退して「高卒認定」と「別の学校に行く」で考えた
- 『もう高校はうんざりだ…』
- 高卒認定試験に向けて独学で5ヶ月間取り組んだ
- 「高校卒業」と「高卒認定」はそれぞれ価値のあるものである
- 高卒認定試験出身って話すと相手に覚えてもらえることが増える
- 次の学校を卒業しないと「中卒のまま」っていうデメリットもあるよ
こうして記事にまとめてみると時間の経過って偉大だなって感じます。当時の僕が必死に悩んでいたことを文章にして発信できるようになった。
当時の僕は同じような境遇で悩んでいる人のエピソードが聞きたかった。受験して7年が経つ間にたくさんの素敵な人に出会って幸せな経験ができたからこそ、こうやってまとめることができました。
この記事を読んでくれたあなたが少しでも前向きな気持ちになれたのなら、
「自分に正直に前に進む」ことを僕は全力で応援します。
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