星野源。俳優、歌手、文筆家。
表現をこれほど両立できる人は彼以外にいないのではないでしょうか。
僕は星野源の著作物が好きです。
最近無限ループで聴き続けている楽曲があります。八年前の2010年に発売されたファーストアルバムに収録されている『くせのうた』です。
星野源『くせのうた』
「繊細な棘」の存在
星野源が描く楽曲には「繊細だからこそ感じ取るしかない棘」のようなものが有る。
気づかない方が楽であろう人間の心の揺れ動き。やさしいものも悲しいものも吸収してしまう繊細さ。
『くせのうた』には彼の繊細な世界が一番溢れているのではないかと思うのです。
みんな違ってみんな良い
以下は僕の勝手な解釈です。
ここ数週間、自意識過剰になって苦しいと感じる時が多かった。苛立ち悩んで答えが見えたところで振り出しに戻る。毎日それを繰り返す。
自分でもしんどい。でも止まらない。
曲に登場する「君」の存在。君って聞くとすぐに他人とか恋人とかそういう別の人間を想像してしまいます。けれどこの場合の「君」は自分なのではないか。試しに「君」に意識して聴くとすっと心が柔らかくグニャグニャとなる感覚がある。
癖のように悩んで悲しくなる。もう無駄だと理性が止めても悩む。苦しいと脳が赤信号を出しても止まらない。
何の気なしに冬の外を歩いてみると気が少し晴れる。さっきまでの思考が何でもないように感じられる。一休みする。
寝て起きてまだ悩んでいる。もういつから悩み始めたのかもわからなくなっている。それくらい悩んでいる。大したことのないことで。
知らない世界を羨み今の自分と比較して悩む。人間、同じようで違うはずなのに。
あまりにくだらない。この言葉に助けられた。
収録アルバム『ばかのうた』
星野源 – くせのうた 【MUSIC VIDEO】
今回紹介した『くせのうた』は2010年にリリースされた星野源のファーストアルバム『ばかのうた』に収録されています。
以下全15曲収録。師と仰ぐ細野晴臣氏作曲の『ただいま』も収録。
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